つまらなかったかというと、そうでもない。面白かったかというと、それほどでもない。ちょっと直せばすごく面白くなる可能性はあったように思うので残念に思う。直したほうが良いと思ったのは例えば、こんなところだ。
1、筋が複雑すぎると見る側がついていけずに置いてきぼりを食う感じになる映画があるが、この映画もそういう点があったのは確かだ。もう一度見たら内容がもっと把握できて、もっと楽しめるようになるかもしれないが、もう一度見る気になれないので、やはり作った側がストーリーや設定を凝り過ぎなのではないかと思う。奥さんや子供の話が必要だったのかどうか。3重底、4重底までやる必要があったのか。
2、時間の流れの話も多少は同感できるとしても、無理があったと思う。
3、役割を分担する人物を一人づつスカウトしていくところとか、サギや泥棒の映画などでよく使われる手法が多く見られたが、そういう映画と違い重厚なテイストが終始一貫していた。サギの映画のように、コミカルで軽いテイストにする手はなかったものか。
4、内部のストーリーは複雑だが、主人公たちが目指している目的がつまらない矮小なものだった。渡辺謙を出演させるためにストーリーが無理がなかったか。
5、お金が掛かっているのは伝わってきたが、無駄にお金を掛けているようにも感じた。日本的な部分とかにお金を掛ける必要があったのか。
期待が大きかったせいで、厳しい評価になったかもしれない。